健康ア・ラ・カルト
「運動不足とメタボリックシンドローム」~さとやま整形外科内科院長が贈るコラム~
健康ア・ラ・カルト#16
さとやま整形外科内科院長が贈る本コラムでは健康に関する雑話や豆知識などをいろいろご紹介していきます。
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「運動不足とメタボリックシンドローム」
運動不足は21世紀最大の公衆衛生上の問題と見なされています。
その好例として、米国の先住民ピマインディアンの例を挙げましょう。
彼らは政府から居留地と生活保護費が与えられ、生活が一変した結果、1日の消費カロリーが500~600kcal減少し、かつての高繊維低脂肪食からハンバーガー、フライドポテトとコカ・コーラに変わっ て、一気に高度の肥満(平均26kg増)になって2型糖尿病の発症が世界一になったのです。
このように運動不足と高脂肪高カロリー食が今や世界的な傾向で、その結果、次のような健康被害の連鎖が起きてくるのです。
①エネルギー消費の減少⇒肥満、脂肪肝、
②体脂肪を燃焼させるリポ蛋白リパーゼの活性低下⇒中性脂肪↑、善玉HDLコレステロール↓、
③インスリン抵抗性⇒高血糖、④血管拡張因子NOの分泌低下⇒血圧↑、動脈硬化。
このように運動不足が続くと、腹部肥満、血清脂質異常、糖尿病、高血圧などが次々に現れ、危険因子の集積したメタボリックシンドロームになるのです。
インスリン抵抗性に関し、日本でいち早く人工膵臓を駆使して臨床研究を展開。 医学博士号取得、元日本糖尿病学会専門医、指導医、功労評議員。
沼津市東原(愛鷹)の「さとやま整形外科内科」 内科・リハビリテーション科・整形外科
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